学生服「値上がり」の真因 公取委が半世紀ぶりの処分

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愛知県立高校の制服でカルテル。学校制服市場の閉鎖性が温床となった。

公取委が学校制服の取引に対して法的措置を取ったのは、1973年の岡山県の被服工業組合で生じた男女の制服の価格カルテル以来となる

およそ半世紀ぶりに、学校制服に対する行政処分が下された。

公正取引委員会は7月1日、愛知県豊田市にある県立高校6校の制服販売において価格カルテルを結んでいたとして、同市の販売業者3社に対し、独占禁止法違反と認定し再発防止を求める排除措置命令を行った。

公取委が学校制服の取引に対して法的措置を取ったのは、実に47年ぶり。今回のカルテルには豊田市の販売業者3社のほか「松坂屋豊田店」を運営する大丸松坂屋百貨店も関わっていた。大丸松坂屋は違反行為を自主的に申告したことなどが考慮され、排除措置命令の対象外となった。

大丸松坂屋を含めた4社は遅くとも2015年5月以降、地元の喫茶店や高校の駐車場に担当者らが集まり、制服の販売価格を共同で引き上げることで合意。制服の値上げが行われた県立高校6校は、4社以外に指定販売店がなく、生徒は基本的にカルテルを結んでいた販売店でしか制服を買えない状況にあった。

6校の制服販売価格は15年度以降に平均で8%程度値上げされ、18年度の6校平均販売価格は6万1635円と公立高校の制服の全国平均と比べて約11%高かった。

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