振り返ってみれば、中国共産党が香港に新しい安全法を課すという決定は、前もって定められていたように見える。歴史的に見ても、新興国は経済発展のある段階を過ぎると、地政学的影響力の範囲を拡大しようとする。中国が「一国二制度」を廃止し、祖国と一体であると考えている香港に法律と規範を課すのは時間の問題だった。
中国から見れば、2008年の金融危機からドナルド・トランプ大統領の任期にわたる12年間のアメリカの退廃と衰退は、戦略的な拡大を加速させるための格好の招待状となっていた。
中国の習近平国家主席は長い間、太平洋は中国と米国の両方を受け入れるのに十分な広さがあると世界に向けて発信してきたが、実際の政策はそうではないことを示唆することが多い。南シナ海の軍事化に加えて、習氏の「一帯一路」構想は、中国をユーラシア大陸全体の結節点にすることを目指している。
米国は習氏の攻撃性に注目
香港を完全に従属させることを決めた習氏は、台湾に関しても現状に挑戦し、孤立主義で注意散漫なトランプ政権が何もしてこないと信じているだろう。しかし、米国は習氏の攻撃性に注目している。
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