米国は今、2つの国家的悲劇に見舞われている。それは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機と積年の人種差別問題 である。この非常時に、ホワイトハウスに居座っているのが情緒不安定で、 統治者として適格性を欠く者であることは、米国にとって大きな災難である。
ドナルド・トランプ大統領がパンデミックに正しく対処できなかったことで、米国ではこれまでに11万2000人を超える死者が出ている。新型コロナウイルス感染症の1人あたりの死亡率は世界で最も高い分類に入り、さらに感染症はこれまで未感染だった地域に拡散している。また今回の公衆衛生の危機によって、米国は1930年代の大恐慌以来で最悪の景気停滞に陥っている。
その後の展開をみるにつけ、来月には建国以来244年目を迎える米国の試練は、1970年代のウォーターゲート事件で起きた憲法危機当時を上回り、深刻な危険に直面していると言っても過言ではない。
パンデミックは、一連の人種問題に起因する怒りと同期し、国中を暴発状況に追い込んだ。
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