コロナ危機で見直されるロボットへの投資 賃金の安い国で製造をするのは得策ではない

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チェコ共和国プラハ近郊の配送センターでヨーグルトを並び替える作業を行うロボットアーム(2020年2月17日撮影、ロイター/ David W Cerny)

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの拡大によって、グローバルサプライチェーンに内在するリスクがこれまでになくはっきりと浮き彫りになっている。経済先進国の企業は、嵐が過ぎ去った後に、以前のように多くの労働力を安く使える国で集中的に生産を行う体制に戻るのではなく、最も賃金の安い労働者、つまりロボットに目を向けるようになっている。

企業が賃金の低い国に生産拠点を移し始めたのは1990年代初頭のこと。この動きを後押しした要因としては、冷戦の終結、それに中国が国際社会に参加するようになって最終的にWTOに加盟したこと、それにコンテナ輸送の普及が挙げられる。

1990年から2008年のリーマンショックによる世界的な金融危機までの期間は、ハイパーグローバリゼーション期と呼ばれている。この間、世界の貿易の約60%をグローバルバリューチェーンが占めていたのだ。

リーマンショックを契機に見直し

2008年のリーマンショックによる世界的な金融・経済危機によって、このハイパーグローバリゼーション期は衰退を始めた。2011年には、グローバルバリューチェーンの拡大が終わり、その後成長に転じていない。

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