丸紅が原油急落で大減損、総合商社に資源安の暗雲 かつても資源安で赤字決算が続出した

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その再来が現実味を帯びてきた。

巨額の減損計上による業績予想修正を受けて会見した丸紅の柿木真澄社長(中央)

コロナショックで商社に巨額減損の嵐が再来か──。最初にそれが直撃したのは丸紅だった。 

3月25日に丸紅は巨額減損による業績下方修正を発表した。2020年3月期の最終損益見通しを2000億円の黒字としていたが、今回の下方修正で3900億円も引き下げ、過去最大となる1900億円の赤字になる見通しだ。これを受けてほかの総合商社も大幅な業績悪化に陥る懸念がくすぶり出した。

丸紅の損失の大半は、メキシコ湾や北海での石油・ガス開発事業や米国の穀物事業で発生した減損損失だ。最も大きい石油・ガス事業での下方修正額は約1450億円に及び、全体の修正額の約4割を占める。資源事業のウェートが小さい丸紅が巨額減損を出したことに、業界関係者たちからは驚きの声も上がった。

下方修正を受けて会見を行った丸紅の柿木真澄社長は、「(新型コロナウイルスによる景気への影響は)これまでの金融危機、地政学的危機とは異なるもので影響は多方面、多岐にわたる」と強調。いずれ新型コロナ感染拡大が収束するにしても、「足元の環境悪化だけでなく、将来のビジネス環境についてもかなり悪化するとみなした」と下方修正の理由を説明した。

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