世界中で自然災害が深刻化している。因果関係は明確ではないとはいえ、気候変動の影響を思わせる事態を経験し、とくに若者世代の危機感は強い。昨年12月にスペインで開催された国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に、これまでにないほど多くの若者が集まったことは印象的であった。
若者という「将来の顧客」が動けば政治家も経済界も動く。COPの会場には、ここ数年で金融関係者や自治体など、新たな分野の関係者が急速に増えている。とりわけ金融関係者の気候変動問題に関する関心は高い。
ここでは欧州を中心に議論が進む、持続可能な発展に寄与する金融・投資のあり方(サステナブルファイナンス)を考えてみよう。
投資の判断基準に環境や社会、企業ガバナンス(ESG)の視点を加えようとする動きは、2000年代初頭から活発になった。
企業の環境に関するデータ提供を求めるプロジェクトが00年にスタートしたほか、06年にはアナン国連事務総長(当時)が提唱し、「責任投資原則(PRI)」が策定された。法的拘束力のない国際ガイドラインだが、19年時点でわが国の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を含む世界2372機関の署名を得ている。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら