データで見抜く 日本経済の真相 原田泰、大和総研著
「ワーキングプアは増えていない」「日本はそもそも平等な国ではない」から始まって、「2000年代半ばに日本は成長を諦めていた」「高齢者は消費税を負担していなかった」、さらには「ドルはリーマンショック以来、むしろ上昇している」「基軸通貨の交代はない」などまで、目からうろこが落ちるような事実と見通しが突きつけられる。
中でも、示唆的な展望は金融の立て直しだろう。依然として資本市場が未成熟で、海外投資にも消極的な現状を分析しつつ、超高齢社会を乗り越えるために、潤沢な資金を活用する戦略をしっかりと発動する必要があると説く。各種データに証券系シンクタンクならではの着眼もある。
日本の行く末を考えるうえで、好適なデータと視角を提供してくれるが、惜しむらくは今後の展望において人口動態との関連が十分に触れられていないことだ。このテーマでの「ニュースでは伝えない真相」の続編を期待した
い。
日本実業出版社1470円
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