地球文明の危機 環境編 稲盛和夫編

地球文明の危機 環境編 稲盛和夫編

過去の文明がみな亡びたように現代文明もあと半世紀もしないうちに亡びるという問題意識から、来るべき危機に人類はどう対応すればよいのか。この壮大なテーマに取り組もうとする編者の呼び掛けに応え、異分野の専門家たちが参集した。「近未来の地球を暗示するアフリカの惨状」(石弘之)、「利他的遺伝子と文明」(大橋力)、「文明と科学技術」(伊東俊太郎)などの報告と討論はどれも興味深い。

強い危機感と広範な知見に基づく問題提起は国際的水準をいくものであり、特に大橋論文は遺伝子をめぐる俗説を圧倒して迫力十分だ。畑作牧畜文明と農耕漁労文明をめぐる松井孝典、安田喜憲らの論争など率直な議論が繰り広げられている点も異色だし、中でも利他的遺伝子論やピグミーの生き方を手掛かりとする社会のありようと未来へ向けての議論は極めて示唆に富む。経済社会、経営、文化などの分野も大いに啓発されるだろう。(純)

東洋経済新報社 2100円

    

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集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>世界で戦える組織へ

成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。