競合他社に先駆けて、1980年代にインドに進出したスズキ。日本で培った安価で高品質なものづくりを武器に、現地で自動車販売台数を伸ばしてきた。ところが、2019年は無担保ローンの貸し渋りなどを背景に、インドの新車市場が急失速。スズキも販売台数を落とし、新工場の稼働延期を強いられた。
そこでスズキは2020年の市場回復を見据え、「次の一手」を準備している。
インド市場は虎の子
スズキにとって、インド市場は虎の子だ。スズキの2018年自動車販売台数は、国内72.5万台に対してインドが175万台と、実に2.5倍もの差があった。2018年3月期の売上高を見ても、日本1.25兆円に対してインド事業1.3兆円と、インドが日本を若干上回る。
今後についても、国内市場は大きく成長する見込みが薄い。しかし、インド市場は中間層の需要が膨らむと見込まれ、成長余地が十分にある。スズキにとって重要な市場であることは間違いない。
一方で、インド頼みの危うさもぬぐいきれない。2019年は、それが浮き彫りになった一年だった。2018年末からインド市場の新車販売が減速。「5月に実施された総選挙までの買い控え」とみる市場関係者もいたが、総選挙後も販売低調が続いた。
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