人々の日常生活に密着する小売企業が、ここにきてインド進出を次々と表明。若者層の旺盛な消費意欲を取り込む各社の戦略に迫る。
デリー近郊のグルグラム(旧グルガオン)市内をタクシーで走っていると、東京・丸の内のような巨大ビルが立ち並ぶ一角が現れた。「オフィス街のサイバーシティーだ。ここは有名だよ」。運転手はそう言って、車のドアを開けてくれた。
このサイバーシティーのエリアに、ファーストリテイリング傘下のユニクロは、インド2号店となる「DLFサイバー・ハブ店」を2019年11月にオープンした。
外資系企業が多く集まり、しゃれたレストランやバーが並ぶエリアだ。行き交う人々は質のよさそうなシャツや細身のパンツなどを着こなし、洗練されている印象を受けた。観察していると、OL風の若い女性などがユニクロの店舗に次々と吸い込まれていく。
店舗内に入ってみた。平日の16時前後にもかかわらず、若者からお年寄りまで幅広い層の顧客でにぎわっていた。基本的なレイアウトや、マネキンを多用して目玉商品を訴求する手法は日本と同じ。品ぞろえも日本とほぼ同じだ。
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