「桜を見る会」批判より重要な政治問題がある 長期政権だからこそ歴史に向き合える

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11月19日に安倍晋三首相の通算在任日数が計2886日となり、歴代最長記録を持つ戦前の政治家、桂太郎(1848〜1913年)と並んだ。翌20日には桂を超え、記録を塗り替えた。しかし、マスメディアや世論は、歓迎ムードとはいえない。首相主催で行われる「桜を見る会」に安倍首相や与党の関係者が恣意的に招かれており、政治を私物化しているのではないかという批判が強まっているからだ。

安倍首相や菅義偉官房長官も国会で、野党の追及に対して釈明せざるをえなくなった。〈国の税金を使い、首相が主催する「桜を見る会」をめぐり、安倍晋三首相は(11月)20日午前の参院本会議で、招待者選定について「私の事務所が内閣官房の推薦依頼を受け、参加希望者を募ってきた。私自身も事務所から相談を受ければ意見を言うこともあった」と自らの関与を認めた。会前夜の夕食会は、自らの後援会が主催したことも明らかにした。/立憲民主党の那谷屋正義氏の質問への答弁。首相は8日の参院予算委員会では「私は、招待者の取りまとめ等には関与していない」と説明していたが、修正した。/一方、菅義偉官房長官は20日午前の衆院内閣委で、桜を見る会の招待客をめぐる推薦者の内訳を示した。招待者約1万5千人のうち、各省庁推薦の功労者や各国大使、国会議員、勲章受章者などは合計約6千人程度。残りの約9千人は、安倍首相の推薦が約1千人、麻生太郎副総理や菅官房長官、官房副長官の推薦が約1千人、自民党関係者の推薦が約6千人などとした。/大西証史内閣審議官は「安倍事務所において幅広く参加希望者を募るプロセスの中で、夫人からの推薦もあった」と、首相の妻昭恵氏からの推薦もあったと答弁した。共産党の宮本徹氏の質問に答えた〉(11月20日付朝日新聞朝刊)。

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