トヨタのおひざ元で火花、三つどもえの販売店競争 「競争を促されるほうはたまらない」
10月からトヨタ直営のディーラーがなくなり、競争は新局面に移る。
「競争を促されるほうはたまらない」。愛知県内でトヨタ車を扱う大手販社からはそんな恨み節が漏れる。その原因は勢力図の変化だ。トヨタ自動車は10月1日付で傘下の販売会社2社を、トヨタカローラ名古屋を運営するGホールディングス(GHD)に譲渡。これで直営ディーラーが消滅すると同時に、競争環境の構図が2強から三つどもえに変わったのだ。
従来、愛知県内では首位のATグループ(AT)と2位のNTPホールディングス(NTP)が君臨。両社を合わせたトヨタの新車販売台数は県内の約7割に上り、ほかの販売会社が小規模なため、「競争が硬直化している」と指摘する声もあった。だが、GHDがトヨタから販売会社2社を譲り受けたことで、新車販売台数が年間4万台を超す第3勢力となり、2位のNTPに肉薄する。
トヨタに2つの狙い
トヨタはかねて地域の事情に精通する地場資本に車の販売を委ねる方針を取っており、全国に275社ある販売会社のうち、直営は7社しかない。GHDに譲渡された2社は同一の地場資本が経営していたが、バブル崩壊後に経営が行き詰まり、トヨタが1993年に直営化した。その経営を再び地場資本の会社に譲る最大の狙いは、一段の競争を促すことにある。
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