──ライザップの問題とは何だったのでしょうか。
瀬戸さんが起業したときやボディーメイクジム開始時の「健康」という軸から、ちょっとずれた方向に向かっていた。その軌道修正が必要だった。瀬戸さんの抱く夢に沿ったM&A(合併・買収)であれば、正ののれんだろうが負ののれんだろうが、そんなことは問わない。だがいちばんの問題は、「こんな会社をつくりたい」というイメージに沿っていないと思われる企業の買収を続けていたことにあった。
──買収前の段階に問題の原因があったということでしょうか。
そういうことになる。加えて、右肩下がりの産業に属する企業を買っていた。厳しい業種なので「誰かが買ってくれるなら売りたい」と望む人のほうが多いと思う。よって銀行や証券会社、M&A仲介会社などを通じて、この会社(ライザップ)に売却案件が多く持ち込まれた。そういった企業の再建は、よほど優秀な人が行わないと難しい。
野球に例えると、時速100キロメートルのボールだったら素人でも打てる。でもこの会社が買ったのは、140キロメートルの速さで、しかもストンと落ちるフォークボールのような企業。打ち返すのは容易ではない。
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