外に目を向けて動き出しているのは若手の銀行員だけではない。経営が厳しさを増す中、金融人材はどこまで流動化しているのか。
マイナス金利政策の長期化やフィンテック勢を含めた競争激化など、銀行の収益環境は厳しさを増している。足元では米中貿易戦争のあおりを受けた国内景気の後退懸念が高まり、銀行業界に対する合理化圧力は強まるばかり。こうした中、銀行員をはじめとする金融人材の流動化はどこまで進んでいるのか。
「金融業界の転職者は、昨年も今年も前年比2割増ペースで増えている」。そう話すのは、大手人材紹介会社ジェイエイシーリクルートメント(以下、JAC)で金融業界を担当する松岡宙・金融ディビジョン部長だ。とくに多いのが20代の銀行員で、メガバンクや地方銀行の支店で働く営業マンなどが、コンサルティング会社や首都圏のベンチャー企業などへ転じるケースが目立つという。東京支店で働くうちに豊富な転職情報に接し、地元には戻らずに転職する地銀行員も多いようだ。
50代の行員にも動き、専門的知見にニーズ
40歳前後の就職氷河期世代の転職が少ないのは当然としても、40代後半から50代前半の銀行員の転職は、若手層と同様に活発だという。50代前後といえば、バブル期の大量採用世代に当たる。「(50代前半の)役職定年が近づく中、求人市場が活況なうちに転職を模索しようという人が増えている」(JACの松岡氏)。法務やコンプライアンスの知見のあるベテラン行員は、新興フィンテック企業などからも引き合いが強い。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら