日系2社が再び大型投資 銅資源に熱視線のワケ 銅の需要は過去10年で4割近く増えた
3年前に多額の損失を被った銅資源に再び巨費を投じる。その背景とは?
南米ペルーのモケグア県にあるケジャベコ鉱山は、未開発の銅鉱山としては世界最大級だ。その推計埋蔵量は銅分換算で約750万トンに及ぶ。
昨年7月、三菱商事がこの鉱山の開発を正式に決定した。資源メジャーの英アングロアメリカン社との共同プロジェクトで、2社合計で約53億ドル(約5800億円)もの資金を開発に投じる。すでに工事に取りかかっており、2022年の生産開始を目指している。
三菱商事は12年に約800億円を投じ、アングロアメリカンから鉱山権益(鉱山を開発・生産する権利)の18%を取得。開発した際の収益性やリスクについて、同社と一緒に調査を進めてきた。今回さらに600億円を出資して保有権益比率を40%まで高め、共同でケジャベコの開発に踏み切る。
三菱商事にとって銅の採掘・生産は、原料炭(鉄鋼原料の石炭)や鉄鉱石と並ぶ資源ビジネスの大きな柱だ。世界的な銅の産地である中南米を中心に生産権益を持ち、その規模(年間約25万トン)は総合商社の中で断トツ。さらに今回のケジャベコは生産量がピーク時には年間30万トンになる見込みで、その40%に相当する12万トンが同社の権益分として加わる。
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