音楽を「売る」から体験型へ、ライブビジネス最前線 地域活性化に役立てようとする動きも
CDが売れない時代。音楽会社はライブに活路を見いだし、斬新な仕掛けを打ち出す。
英ロックバンド、クイーンのボーカリストだった故フレディ・マーキュリーの半生を描いた音楽映画、『ボヘミアン・ラプソディ』。昨年11月に日本で封切りされると旋風を巻き起こし、2018年度公開映画の興行収入1位を記録。公開後11週目の1月下旬には、興行収入100億円の大台を突破した。
この興行大ヒットに一役買ったのが、映画館内で手拍子したり、一緒に歌詞を口ずさんだりできる「応援上映」も実施したこと。まるでライブ会場にいるかのような楽しみ方ができ、多くのリピーターを生んだ。
1月下旬、東京・新宿の映画館での応援上映に足を運ぶと、平日夜にもかかわらず会場はほぼ満杯だった。映画が進むにつれ会場内のテンションは高まっていき、ラストのライブシーンではペンライトを揺らしながらクイーンのヒット曲を熱唱する観客が続出。会場にいた40歳代の女性は、「一体感を得たくて、どうしても応援上映を体験したかった」と言う。
配給元の20世紀フォックスと連携して映画の宣伝を担当したのは、米ユニバーサル ミュージックの日本法人だ。「モノ」から「コト」へと消費のキーワードが変化する中、音楽会社も“体験”に価値を認める消費者の取り込みに力を注ぐ。
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