服薬指導の対面義務が足かせ 「オンライン医療」を阻む壁
インターネットを使った診療が普及し始める一方で、服薬指導は足踏み状態だ。
「薬はこのように塗ってください」
薬剤師がそう話しかける相手は、パソコンの画面越しにいる患者だ。ここは福岡市にあるきらり薬局名島店の調剤室。患者が住んでいるのは、その薬局から約16キロメートル離れた福岡市志賀島である。
オンラインによる遠隔服薬指導は、福岡市と愛知県、兵庫県養父(やぶ)市という国家戦略特区に絞られ、福岡市と愛知県では実証実験という形で昨年夏から行われている。きらり薬局は実証実験に参加する薬局の1つだ。
現在の医療では調剤に関わる部分以外はオンライン化が進んでいる。医師によるオンライン診療は昨年4月の診療報酬改定で保険適用が認められた。問診など医師と患者の間のやり取りもオンラインでできる。
ところが処方箋発行や服薬指導といった調剤に関わる部分のオンライン化が遅れている。そうした中、政府は「未来投資戦略2018」で服薬指導のオンライン化推進に言及し、国家戦略特区での実証実験も始まった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら