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原子力プラント|中国原発産業の実力 自国内の建設数は中国が日本を圧倒

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建設中の福建省・福清5号機は“自主開発”した第3世代炉「華龍1号」(ZUMA Press/amanaimages)

今年6月末、中国で2基の原子力発電所が相次いで運転を開始した。広東省・台山1号機は仏アレバ(現フラマトム)製欧州加圧水型炉(EPR)、浙江省・三門1号機は米ウエスチングハウス(WH)製AP1000で、共に最先端と位置づけられる第3世代炉で世界初の運転開始となった。

EPRは欧州、AP1000は米国でも建設されているが、大幅な工期遅れと建設費用超過に見舞われた。建設していたアレバは解体され、東芝子会社だったWHは経営破綻している。

中国初の商業炉の運転開始は1994年。日本から四半世紀遅れのスタートだったが、直近の運転基数では43基と、日本の42基と肩を並べた(IAEA基準)。日本が大半の原発を停止していることを考えると、原発の発電規模では完全に追い抜かれている。

建設の勢いでは圧倒的な差がある。2010年以降の着工は日本が1基(しかも工事進捗率10%未満の東通1号機)。中国は複数の第3世代炉を含む24基で、高速炉や海上浮遊炉、高温ガス炉など次世代炉にも積極的に取り組んでいる。

「炉心安全技術と安全規制ではまだ日本が優位だが、このままでは中国の原子力産業が日本を抜くのも時間の問題」と日本原子力産業協会国際部の中杉秀夫調査役は話す。国際的な安心を得られるかという課題があるが、「中国政府は安全性・信頼性の向上に躍起になっており、建設と運転の経験を蓄積すれば、そうした課題も確実にクリアできる」(同)。

新興国では中ロが圧勝 カギは英国のお墨付き

日本政府が成長戦略に位置づけるインフラ輸出で、中核と期待するのが原発の海外輸出だ。そこで日本勢は中国勢に勝てるのか。

原発は巨額の初期費用による長期投資リスクの高さから先進国では建設が難しく、案件自体が少ない。原発導入に積極的なのは経済発展に安定電源を必要とする新興国が大半だ。が、「新興国の中でもリスクが高い案件に日本は手を出せない。できるのはロシアと中国しかない」と日本エネルギー経済研究所の村上朋子研究主幹は話す。

逆にいえば、中国が先進国でも成果を上げられるかが今後の焦点となる。分水嶺と見なされるのが、多数の新設計画を持つ英国だ。

先頭を走る計画には、仏電力会社と合弁で中国勢が参加。これは仏製原子炉だが、別の計画では中国が自主開発とうたう華龍1号が採用される予定。華龍1号は英国の規制当局による包括的設計審査(GDA)の第2段階に入った。安全性や国防上の警戒感は残るが、着々と存在感を高めている。

「GDA申請前の設計は粗だらけだったが、審査対応の中で改善されている。GDAを通ればお墨付きになる」と村上氏。「個人的な意見だが、中国の課題である安全面で日本の貢献が双方の利益になることも多いのではないか」と中杉氏は指摘する。

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