『島のエアライン』を書いた黒木亮氏に聞く 異色の実名ノンフィクション

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人口15万人の島が85億円の空港を建設し、自前の40人乗り双発機1機で空路を支える。

島のエアライン 上
島のエアライン 上・下(黒木 亮 著/毎日新聞出版/各1500円+税/上316+ⅸページ/下334ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

形式は小説だが中身はノンフィクション

──異色の実名ノンフィクションです。

形式は小説だが、中身はノンフィクション。しかも、ほとんどの登場人物が現役で活躍中だから、事実を外すことはできない。実名で説得力を持たせた。九州の人はおおらかで、うるさいことを言われなかった。3カ所での別々の会話を一つにまとめるようなことはしたが、それも極力少なくした。基本的に事実に即している。週刊誌での連載が先行していて、間違っているところがあれば知らせてほしいとメールを送ってはいたが。

熊本弁と天草弁を織り交ぜてあり、熊本言葉がいま一つうまくいっていなかった。最終段階でそれぞれの地元の人に不自然さがあれば指摘してほしいとメールし、納得できる感じに直せた。方言がないとローカル色が出ないので、これにはこだわった。僕の過去の作品は、どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションかわからないとの感想が寄せられることがあった。一種の苦情だが、その疑問を今回は解消できた。

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