旅客機ビジネスは巨大かつ成長が続く産業だ。MRJの開発に挑む三菱重工業、さらに日本のサプライヤーにもスポットを当て、実力と課題を探る。
太陽の光を浴びて輝く機体が滑走路から浮き上がり、青空に向かって、ぐんぐんと高度を上げていった。11月11日、午前9時35分。多くの関係者らが見守る中、愛知県名古屋空港で三菱リージョナルジェット(MRJ)の真新しい試験機が飛び立った。かつて国家プロジェクトで開発されたプロペラ機「YS-11」以来、実に半世紀ぶりの国産旅客機が離陸した歴史的な瞬間だ。
MRJは三菱重工業が傘下の三菱航空機を通じて開発を進める、70~90席クラスのジェット旅客機。最先端の空力設計技術と最新鋭エンジンの採用などにより、同じサイズの従来機より2割以上優れた燃費性能をうたった次世代型のリージョナル機(地方路線用の小型旅客機)だ。
この日、名古屋空港を飛び立ったMRJは、試験区域に指定されている太平洋の遠州灘上空で操縦性などの基本性能を確認。予定していた試験項目を消化して約1時間半後の11時すぎに同空港に着陸し、タラップから降りてくる搭乗員を三菱関係者らが大きな拍手で迎えた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待