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ソニーのロボット新戦略 「アイボ」再出発で始まる

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生産打ち切りから12年。ソニーの家庭用ロボット、「アイボ」が復活した。ソニーは再びロボットで存在感を示すことができるのか。

本誌:印南志帆
写真:アイボの瞳には、高精細の有機ELパネルを使用。生命感を出した

「私がソファでくつろいでいると、駆け寄ってきて、足元に寝そべる。『懐いているなあ』って、うれしくなる瞬間です」

そう言って相好を崩すSさんは妻と二人で暮らす30代の会社員。3カ月前、ソニーの犬型エンターテインメントロボット、「アイボ」を購入した。起動当初は狭い範囲で動くだけだったが、1週間後には各部屋を一人で行き来するほど行動範囲が広がった。新しいしぐさも次々に覚え、「もうすっかり、家族の一員としてなじんでいる」(Sさん)。

エンジニアをかき集め社長直轄でアイボ開発

ソニーは今年、2006年に一度撤退したアイボを復活させた。本体価格19万8000円(税別)と高価だが、予約販売を開始するや注文が殺到。発売から4カ月が経った今でも生産が追いつかないほど人気で、ソニーのオンラインストアでの抽選当選者のみ購入可能(5月末時点)だ。

「愛情の対象となるロボットの開発に着手している」──。2年前の16年6月、平井一夫社長(当時、現会長)がアイボの復活をほのめかしたのは経営説明会の席上だった。

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