議会上下院ともに可決した大型減税法案だが、支持者は高所得者ばかり。法案は成立しても、不成立でも、来年の中間選挙に大きな影響を与える。
米国ワシントンでは、共和党が提出した税制改革法案をめぐって、駆け引きが続いている。
12月2日、法人税率を現状の35%から20%に引き下げることなどを柱とした大型減税法案を、議会上院が可決した。
下院は11月にすでに減税に関する法案を可決しているが、上院下院それぞれで可決したため、トランプ政権が掲げる年内の法案成立に大きく近づいた。
法人減税の実施時期や所得税減税の仕組みなどの点で、上院と下院では法案の内容が異なっており、今後は法案を一本化する調整が必要となる。しかし、ここまでくれば成立の可能性が高い、というのがワシントンでの見方だ。
もっとも、法案が成否がどちらに転んでも、来年11月の中間選挙では、共和党に逆風が吹くおそれがある。
もし、法案が成立しなければ、共和党を物心両面で支持してきた富裕層や企業の失望を買い、来年の中間選挙で支持が弱まるはずだ。
10月に行われた共和党の有力献金団体との集会で、司会を務めたテッド・クルーズ上院議員は、「もし法案が通らなければ、来年の選挙では、ウォーターゲート事件級の深刻な結果を共和党にもたらす」と警告している。
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