千葉県芝山町は、人口約7500人の小さな町。民間の主要な路線バスが10年以上前に撤退したこの町で、高齢者の貴重な足となっているのが、町営の「芝山あいあいタクシー」だ。
事前の予約制で、希望する時間帯が合う場合、目的地が同じか最寄りの人を、相乗りで輸送する乗合タクシーである。運行範囲は芝山町内とその周辺にある病院まで。芝山町内なら1人1乗車200円、町外の周辺病院まででも同300円と格安だ。
11月初旬の平日午後、同町役場近くの「道の駅」では、85歳の女性があいあいタクシーの到着を待っていた。女性はこの日、自宅から病院まで同タクシーを利用し、病院のそばの道の駅で野菜などを買って、これから帰宅するところだという。
「この歳で長い距離を歩くのは大変。独り暮らしで車の運転もできないので、あいあいタクシーが使えてすごく助かってます」
過疎化などを背景として、全国各地で赤字の民間路線バスの廃止が続く。毎年1000〜2000キロメートルの路線が廃止され、“交通空白地”になってしまった場所も多い。特にマイカーなどの移動手段を持たない高齢者にとって、日常生活に大きな支障が出る切実な問題だ。
タクシー会社に運行委託
そこでこうした地域では、高齢者などの移動手段を確保するため、自治体が乗合タクシーなどの運行に乗り出す動きが広がっている。交通空白地の住民生活を守るための「ライドシェア」だ。
芝山町では隣の成田市に営業所があるタクシー会社に業務委託し、平日に2台体制で夕方まで運行。毎日十数人の利用があり、「ほとんどが通院や生活必需品の買い物で利用する60歳以上の住民」(町役場の総務課)だという。
この記事は有料会員限定です
残り 567文字
