創業者なき船井電機 テレビ依存の賞味期限
11年ぶりに国内テレビに回帰した船井電機。かつての勝ち組は復活できるのか。
「今日はこの辺で」──。7月4日16時ごろ、中堅家電メーカー船井電機の創業者・船井哲良氏(享年90歳)は、部下との打ち合わせを終えた直後に息を引き取った。
船越秀明社長は、「生涯現役の船井相談役らしい最期の言葉。相談役に“ご苦労さん”の言葉をもらうためだけにやってきたと言っても過言ではない」と胸の内を明かす。
8月24日に大阪市内で営まれたお別れの会には約900人が参列。船井氏と30年以上の親交があったヤマダ電機の山田昇会長は「テレビにおける価格競争の仕掛け人の一人。OEM(相手先ブランドによる生産)で黒子に徹したのは創業者ならではの決断。私の師のような存在だ」と語った。
北米で成功も近年低迷
船井電機はテレビやDVDプレーヤーなどAV家電を主力とするメーカー。業界のかつての勝ち組だ。
主戦場は北米。小売り大手ウォルマートなどを相手に2000年ごろから本格的に取引を始めた。「エマーソン」など現地の消費者になじみがあるブランドの使用権を買い取り、そのブランドを冠した家電製品を中国の自社工場で生産、低価格で納入するモデルで驚異的な成長を遂げた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら