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コールセンターの流転 人が集まらない地方センターの悲鳴

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コールセンターの最大集積地が沖縄から北海道へ移り、また福岡へ移ろうとしている。背後にある課題を追う。

(本誌:高見和也)
写真:千葉ニュータウンにある富国生命保険のコールセンター。近隣に住む主婦が多く働いている

「お電話ありがとうございます。WOWOWカスタマーセンターでございます」

インカムを装着した女性オペレーターが、顧客からの電話に滑舌よく答える。ここは沖縄県那覇市にある、衛星放送大手・WOWOWのコールセンターだ。新規加入申し込みなどに約200人のオペレーターが応対している。

2000年のデジタル放送開始に伴う業務量拡大で、WOWOWはコールセンターの新設を検討。充実した助成制度があった沖縄県に白羽の矢が立った。 

「那覇に進出した03年は、まさに沖縄へのコールセンター設立のピークだった」と、業務を受託するWOWOWコミュニケーションズの石嶺隆司・沖縄センター長は語る。

沖縄県は1998年に「沖縄県マルチメディアアイランド構想」を策定し、県内の情報通信関連産業の育成に力を入れてきた。

コールセンター進出企業に対し、設備や通信費の補助、若年者雇用の奨励金給付、法人税の優遇措置などを用意し、積極的な誘致活動を行った。「コールセンター運営費の7割は人件費」といわれる中、企業側も豊富な人材を日本一安い賃金で雇用できることに魅力を感じて沖縄の地を目指した。

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