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『「正しい政策」がないならどうすべきか』 『米中もし戦わば』

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「正しい政策」がないならどうすべきか: 政策のための哲学
「正しい政策」がないならどうすべきか: 政策のための哲学(勁草書房/326ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
Jonathan Wolff●英オックスフォード大学ブラバトニック公共政策大学院教授。1959年生まれ。英ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(上級)Reader、Head of Departmentなどを経る。著書に『ノージック──所有・正義・最小国家』『政治哲学入門』など。

まず必要なのは価値のバランスの回復

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

ギャンブルや麻薬は道徳的に悪いと考える人が多い。しかし、なぜパチンコや宝くじが容認され、ギャンブルは禁止されるのか。麻薬よりアルコール依存のほうが深刻だが、なぜ麻薬だけが禁止されるのか。解禁国もあり、説得的に回答するのは難しい。

評者は、哲学者というのは人と意見が異なろうと、自らが真理と信ずるものを追求し、実践する人のことだと思っていた。英国では公共政策を検討する際に哲学者も動員される。様々な意見があふれ、哲学的、道徳的、宗教的な価値の根本的一致が難しい今日、意見の一致が益々遠のくと思いきや、コンセンサスを見出すのに哲学者が一役買っているという。込み入った問題を解きほぐし、論点の核心を浮かび上がらせるのが役割だ。

本書は、現実の政策に関与する政治哲学者が、動物実験やギャンブル、麻薬、安全基準、刑罰、健康、障碍(がい)、自由市場などの分野で、道徳的ジレンマを抱え判断が難しい問題を具体的に検討したものだ。そこに絶対的に正しい答えはない。現在あるところから出発し、我々がたどりつける、よりましな社会を探る。哲学者が現実の問題をどのように考えるのか学べる。

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