有料会員限定

『健康政策の経済分析』 『われわれはいかに働きどう生きるべきか』

✎ 1〜 ✎ 101 ✎ 102 ✎ 103 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
健康政策の経済分析: レセプトデータによる評価と提言
健康政策の経済分析: レセプトデータによる評価と提言(東京大学出版会/224ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
いわもと・やすし●東京大学大学院経済学研究科教授。大阪大学にて経済学博士号取得。2005年から現職。
すずき・わたる●学習院大学経済学部教授。大阪大学にて経済学博士号取得。2009年から現職。
もろずみ・りょうこ●富山大学経済学部准教授。東京大学にて経済学博士号取得。2008年から現職。
ゆだ・みちお●中京大学経済学部准教授。一橋大学にて経済学博士号取得。2010年から現職。

医療と介護を連結する広域での画期的な分析

評者 慶応義塾大学経済学部教授 土居丈朗

高齢化により医療と介護のニーズは増すばかりだ。ニーズを的確に把握するにはデータが必要だが、わが国では、医療と介護のデータはそれなりにきちんと取られている。しかし、重大な欠陥は、名寄せされていないことだ。

医療機関でどのような治療を受けたかというデータと、介護サービスでどのようなサービスを受けたかというデータは、それぞれに取られている。だが、誰がそれらを受けたかは別々に記録されていて、同一人物が受けたこととは認識できない形なのだ。これでは、高齢者の医療と介護を組み合わせた形でのニーズを的確に把握することができない。

本書では福井県での医療、介護、特定検診の情報を名寄せして連結したデータを構築し、医療と介護を横断的に分析している。一部の医療機関や、市町村で医療と介護を横断的に分析したものはあるが、県レベルで分析したものは本書に関連する研究が初で画期的だ。特に介護保険制度は市町村単位で運営されており、少しずつ介護サービスの内容が異なる。どのような介護サービスをすると高齢者の健康にどう影響するかを比較分析するには、県単位のような広域で分析するのがふさわしい。

関連記事
トピックボードAD