2017年大予測 破壊され生まれ変わる世界と日本
1カ月後、米国・ワシントンで行われるイベントは後の世の政治史に深く刻まれることになるだろう。ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任する2017年1月20日、自由の国の首都は大きく変容した姿を世界中にさらけ出すことになる。
首都に動員される兵士や警備関係者は1万人以上。いくつもの市民団体が衝突覚悟で大規模デモを計画する。自由の国から閉塞感に覆われる分断国家へ。世界の人々は、米国という国の本質が変わってしまったことをはっきりと認識するはずだ。
そして、同じ瞬間、その国の頂点に立とうとする人物のことも、もう受け入れざるをえないと気づく。ポピュリズム(大衆迎合主義)という鋭利な武器を手に大国を切り刻んだ男である。
日本でも繰り返すポピュリズム
悩ましいのは、米国がまだあらゆる面で世界トップのスーパーパワーを維持していることだ。仏ミッテラン政権で大統領補佐官などを務め、「欧州最高の知性」といわれる、ジャック・アタリ氏は本誌のインタビュー取材において、「米国は今後20年、世界を支配する覇権国であり続ける」と指摘している。少なくともこれから4年、トランプ氏はそのスーパーパワーを意のままに操れることになる。
アタリ氏のもう一つの予言は、世界規模でのポピュリズムの蔓延だ。ブレグジットと呼ばれる英国のEU(欧州連合)離脱、トランプ氏の大統領選当選の裏にあるのは、マグマのように蓄積された市民の怒りや不安だった。そこに巧みに付け込んだのが、トランプ氏をはじめとしたポピュリズムの使い手たちだった。
もちろん、日本も無縁ではない。「ポピュリズム? もうだいぶ前から起きてるんじゃないの。小泉(純一郎)政権のときがそうだったし、大阪の橋下徹さんが一世を風靡していたときもそうでしょ。そんな波はこの国にもつねにあった」。衆議院議員の野田聖子氏はそう話す。その波はいつか食い止められないほど大きなものに変わるかもしれない。
2017年、世界と日本が踏み入れるのは、もはや後戻りできない「道なき道」だ。当たり前に存在していたものが一瞬のうちに破壊されては、強い力によって作り直されていく。おそらくそれが私たちの目に映る景色なのだろう。世界最高峰の踏破に欠かせないのが、シェルパと呼ばれるガイド役だ。予測困難な時代を読むためのシェルパを目指したのが、この特集である。












































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