動き出したトランプ流、タフな日米通商交渉 米国内での雇用創出や投資で納得するのか
日米首脳会談を経てトランプ政権との新たな通商交渉が始まった。
就任からわずか3週間だというのに、トランプ米国大統領は大統領令を連発し、多くの人々がよもや本気で進めるとは思わなかった選挙期間中の公約を、次々と実行に移そうとしている。
「矢継ぎ早に大統領令を出し、強烈な印象を与えている。アメリカ的な価値を基盤として、世界に範を垂れる偉大な国になってほしい」
2月2日の衆議院予算委員会で安倍晋三首相はこのように述べた。安倍首相はトランプ大統領に就任前のかなり早い段階で面会した主要国首脳の一人だ。訪米前にはトヨタ自動車の豊田章男社長と話し合い、日本企業の貢献をアピールすべく、10日の日米首脳会談に臨んだ。
トランプ大統領が掲げた公約は、税制改革(法人税、所得税の減税)、通商政策(国境税調整、2国間通商交渉)、インフラ投資(老朽インフラの更新)の順に、実現可能性が高いとみられている。
トランプ大統領の就任後、訪米して政策関係者にヒアリングを行った野村総合研究所の井上哲也・金融ITイノベーション研究部長によれば、税制改革はトランプ大統領の優先課題である国内雇用に密接にかかわり、共和党との共通点も多いことから、実現可能性が高い。しかし財政収支の悪化が予想されるため、財政の均衡を重視する共和党の伝統的な考え方との調整が必要との声が聞かれたという。
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