3年値上がりが続いた中国国債が昨年12月に急落した。中堅証券会社による債券偽装取引問題も発覚し、市場の動揺に拍車をかけている。
2016年12月14~16日にマクロ経済政策の方向性を決める中央工作会議が開かれた。
ドナルド・トランプ氏の米国大統領就任決定で、米国の今後の経済政策の方向性に不透明性が高まる中、為替政策を含め中国政府が今後の経済政策の舵取りをどのように行うのか、注目が集まった会議だった。
同会議では、「積極的な財政政策」と「穏健中立な金融政策」の採用が確認されるなど、基本的に従来のマクロ経済政策の方針を踏襲し、「痛み」をもたらす大胆な改革は避けるという、安定志向の姿勢が目立った。
上昇を続ける不動産価格などにバブルを懸念する声はあるものの、そのリスクはそれほど大きくなく、短期金融市場への資金供給の調整などによって十分コントロール可能である、と当局が判断を示したものと大方には受け取られたようだ。
しかし同じ時期、経済の変調の兆しを感じさせる動きが、あまり目立たないところで起きていた。それが、年末に生じた債券市場の動揺である。もともと、景気刺激のための金融緩和政策によって短期市場金利が低下しており、政府債、社債を問わず債券市場は活況を呈し、国債などの利回りは低下を続けていた。
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