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ローソンが銀行に参入、セブン追撃に高い壁 地銀説得や新サービス展開など課題は山積み

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競合より15年遅れの決断。地銀説得や新サービス展開など課題は山積み。

ローソンのATM台数は12月時点で約1万1700台と、セブン銀行の約半数にとどまる(撮影:大澤 誠)

業界首位のセブンーイレブンとの差を詰める一手となりうるのか──。

コンビニエンスストア国内店舗数3位のローソンは11月下旬、銀行業参入に向けて準備会社を設立した。流通業による銀行業参入はセブン&アイ・ホールディングス、イオンに次いで3社目。金融庁の許認可取得を前提に、数年でサービスを開始する見通しだ。

「競合セブンと比較して、ATMという機能でわれわれは劣っていた。提携行の多さや利便性をイーブンにしなくてはいけない」。ローソンの玉塚元一会長は銀行業参入の理由を率直に語る。

セブン&アイにおいて金融部門は存在感を増している。同社傘下のセブン銀行の2015年度経常利益は371億円。一方、ローソンのATMを運営するローソン・エイティエム・ネットワークス(LANs)は同60億円、ファミリーマートのATMを管理するイーネットは同5.5億円にとどまる(図表1)。

[図表1]
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セブン銀行は自前で銀行を運営している。ATM利用に応じて提携銀行から受け取る手数料収入の多くが自社の利益となり、提携行の拡大や、法人向け決済、海外送金、個人ローンなど独自サービスの展開も自らの判断で行える。

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