移民、銀行の幹部、イスラム教徒、「リベラルなエリート」など、何となく自分たちとは異質だと思う人への不満や憤りが世界中で増幅しつつある。
米国では、オバマ大統領が、長期滞在をして働く不法移民に市民権取得のチャンスを与えたが、政策を非難するティーパーティ一派に後押しされた共和党が、政府機関を閉鎖すると脅している。英国ではUKIP(英国独立党)が、移民の永住許可を5年間凍結せよと主張する。ロシアではロゴージン副首相が、移民労働者(大部分は旧ソビエト連邦内の共和国出身)を一掃する、と約束した。
寛容さで知られるオランダやデンマークでさえ、移民を災いの種だと声高に非難する政党への支持が増えつつある。シンガポールは国民のほぼすべてが移民の子孫だが、極小野党が人々の移民への不満をかき立てて勢いを得ている。
経済状況が厳しくなる中、自分の仕事を守るのは、誰にとっても重大だ。しかし、地方在住でティーパーティを支持する中年白人の米国人が、メキシコからやってきた貧しい移民のせいで生活を脅かされることは、ほとんどない。
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