今年、夫婦と子供からなる標準世帯の数を一人暮らしの数が上回る。若年層では未婚率がうなぎ上り。高齢者でも単身化が急ピッチで進む。日本が経験したことがない激変は、社会モデルを白紙に戻して考え直すことを迫っている。
少子高齢化――。今や、この言葉は日本社会を表現するときに欠かせない存在になってしまった。いかに好景気が喧伝されても「漠然とした不安」をぬぐい去れないのは、少子高齢化の影響の大きさを無意識的にでも感じている人が多いからではないか。
昨年12月に発表された、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計は、不安の実像を冷厳な数字として突きつけた。
推計によれば、2055年の日本の人口は8993万人。05年の1億1522万人に比べて2割減となる。この時点では65歳以上の老齢人口が国民の40.5%(05年は20.2%)を占める。このデータは、半世紀後の、一回り小さくなり、想像もできないほど老け込んだ日本の姿を映し出している。
だが、少子高齢化と同時に進行している、もう一つの大きな変化については、まだ見過ごされているのではないだろうか。それは、単独世帯、すなわち、一人暮らしをする人の急激な増加である。
05年の国勢調査では単独世帯の数が1446万世帯、夫婦と子供という組み合わせ(標準世帯と呼ばれる)が1465万世帯だった。
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