首都圏では2025年に高齢単独世帯が200万世帯まで増加する。その震源地の1つが郊外のニュータウンだ。一方、都心ではワンルーム増殖でスラム化が懸念される。激変の渦中からの最新リポート。
高齢単身者を支えるコンビニ「御用聞き」
そこはかつて「夢の街」と言われた――。高度成長期、全国に次々と建設されたニュータウン。不燃のコンクリート住宅、ステンレスのキッチン、そして緑の多い街並み。当時のサラリーマンにとって、ニュータウンは夢の場所だった。
それからおよそ40年。ニュータウンをめぐる状況は一変した。入居当時働き盛りだった住民が高齢化。子供たちも次々と街を離れ、老夫婦や高齢者のひとり暮らしが増えている。
東京の多摩ニュータウン。1971年、最初に入居が始まった多摩市の永山・諏訪地区には、40平方メートルから50平方メートルという狭小な集合住宅が並ぶ。5階建ての団地にはエレベーターがなく、高齢者にとって住みづらい環境だ。
建物の老朽化が進み、一部の団地では建て替え計画が浮上している。だが、多摩市への建て替えに関する補助金申請は、まだ1件だけ。建て替えには住民の8割以上の賛成が必要な場合があり、住民の総意をまとめる難しさを裏付けている。
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