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サッカーの悲劇と喜劇 第8回

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8カ月前の早朝、アイドル顔の南米選手が放ったシュートはゆっくりと日本のゴールに沈んだ。サムライ? ふざけるな! そうつぶやきながら通勤電車に乗った。サッカーの悲喜こもごも。

後任選び騒動の深き罪

サッカージャーナリスト 後藤健生

ごとう・たけお●1952年生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程修了。74年大会以来、W杯をすべて現地観戦。関西大学客員教授。(撮影:梅谷秀司)

昨年のワールドカップ(W杯)では、日本代表に過度な期待があったと思います。ベスト8を目指せとみんな言っていた。その前の大会ではベスト16だったから。ただ、現実はそんな単純な話ではない。日本の実力はグループリーグを必ず突破できるレベルではありません。運がよければ可能性はある、という程度だったのではないですか。

ベスト8というのは幸運が続いた場合のレアケースですよ。優勝候補のスペインも伝統国のイングランドもグループリーグで散った。早く負けて驚くのはサッカー大国のブラジルくらいです。強国でも初期段階で敗退してしまうのがサッカーの意外性であり、面白さでしょうね。

アルベルト・ザッケローニ。ACミラン、ユベントスなどイタリアのビッグクラブを率いた手腕には確かにそれなりのものがありましたが、代表の監督経験がなかったのは痛かった。毎日毎日、時間をかけて練習してチームを作っていく監督で、その点では代表チームを率いるタイプではありませんでした。

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