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日本の未来を考える 松下幸之助

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オイル・ショックに続くロッキード事件で、政界も財界も混迷の極。しかし、こういうときこそ、政治家の強力な指導力が必要だ。石油危機も考えようによっては干天に恵みの雨。日本の前途をそう心配する必要はない…。(旧仮名遣いなど、原文ママ)

日本経済について前途を悲観しておりません

政治家は百年の計を持て

いま世間では、ロッキード事件の話でもちきりですね。そして、政治に対する不信感が、ますます広がりつつある。これは、非常に残念なことですな。

私は、いま日本で一番問題なのは政治の弱体性だと思います。あまりにも政治が弱い。そういうところから、いろいろな雑音が出てくるんじゃないでしょうか。

政治が強いということは、必ずしもいいとは限りません。しかし、いまの日本には、聡明にして強力な政治が必要です。言葉をかえれば、リーダーシップということです。

経済と政治の関係にしても、これまでは、経済のほうがどんどん大きくなって、政治がだいたいその後についてきた。戦後三〇年、日本は幸いにして今日のような経済発展をとげましたが、政治が先頭に立って旗をふり、国民がこれに従ってきたわけではないのです。

国民が―ある意味ではバラバラだったかもしれないが―とにかく、経済活動を活発にしなければいかん、経済を発展させなければいかんということで、みんな思い思いに一所懸命やってきた。それでふっと気がついてみたら、いつのまにか今日のような経済繁栄をきずきあげていたわけです。

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