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英国とEUの長く厳しい条件闘争 先行きは視界不良

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6月28〜29日のEU首脳会議。キャメロン首相(左)がユンケル欧州委員長(右)に会うのも最後か(AP/ アフロ)

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EU(欧州連合)から離れて独自に七つの海を目指す英国の海図なき航海が始まる。国民投票によって出された、EUからの離脱という結論を反故にすることは困難で、離脱はやがて現実となる。残留派のリーダーであるキャメロン首相は、公式結果が判明した6月24日朝に記者会見し、自らの辞任と、次期保守党党首・首相を10月の党大会までに決めることを発表した。

英国にはEUや他国との間の長い交渉が待ち受けている。離脱決定後の交渉は大きく2段階に分かれる。まず脱退や離脱後のEUとの関係性を定めるためのEUとの協議、次いで他国との自由貿易協定(FTA)など経済協定の交渉が行われると予想される(図表1)。しかし、交渉の内容や期間など、先行きは視界不良だ。

[図表1]
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現時点では、EUとの脱退交渉がいつ始まるのかということすら、まだ明らかではない。EUからの脱退を定めたEU条約第50条によれば、脱退協議は、EU首脳に向けた英国の「脱退通告」がトリガーとなり、正式に開始される。つまり、脱退協議開始の決定権は、英国にある。一方で、脱退協議終了には、他のEU27カ国との合意が必要で、英国に決定権はない。

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