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急ぎすぎた欧州統合を見直すとき 源流は汎欧州主義だが……

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英国のEU(欧州連合)離脱によって、問われているのは、「EUのあり方」だ。

英国がEU離脱を決めた背景には、「国家主権の回復」がある。移民問題を含め、英国の国家主権がEUによってそがれているという認識が英国民にあり、そのことへの不満が、脱EUの決断へつながった。

そもそも英国は、EUの憲法である、EU基本憲章の適用除外だ。域内の人の自由移動を定めたシェンゲン協定も適用除外。EU自体の骨格を決めたリスボン条約も部分的に適用除外になっている。通貨も英国ポンドを使い続けており、ユーロへ最終的に統合しなくてもよい。

このように英国とEUには大きな違いがある。ところが、近年のEUは、一つの政策で統一しよう、経済も完全に一つにしよう、という動きが強まっている。

難民対策や自由貿易協定をEUが主導し、金融取引に税を課す金融取引税の導入も検討している。こうした動きも、英国の国家主権を脅かしていると感じられたのだろう。

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