三洋電機での栄光と挫折を経て 電池から液晶へよそ者の再挑戦 本間 充 ジャパンディスプレイ会長兼CEO
電池産業のトップに君臨した男が戻ってきた。舞台は再編の火種くすぶる液晶業界。どう手綱をさばくのか。
かつて隆盛を誇った日本の液晶パネル産業が大きな曲がり角を迎えている。国内2強の一角、シャープはスマートフォン向け中小型液晶の需要失速が一因で、経営危機に直面。液晶事業は売却も視野に入れつつ、水面下で他社との交渉を続けている。
その売却先候補に名が挙がるのが、2強のもう一角であるジャパンディスプレイ(JDI)だ。官製ファンドの産業革新機構傘下でソニー、日立製作所、東芝の中小型液晶事業が統合して発足したJDIも、液晶需要の変動に翻弄されている。上場後の2013年度、14年度と相次いで業績予想を下方修正し、株式市場からひんしゅくを買った。
「短期で売り上げは伸ばしたが、(われわれは)成長痛というか、何かを忘れている」 15年8月の決算会見で社内をそうしかり飛ばしたのが、6月に会長兼CEOに就任した本間充だ。同時に社長に就任した有賀修二と二人三脚でJDIの舵取りを託された本間は、有賀とは異なり液晶の門外漢だ。いわばよそ者だが、そうとは感じさせない。
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