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観光列車のデザインはどこへ向かう? 美術館、ホテル・・・ 美の巨人が競う

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観光列車のデザインはどこへ向かう?

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黄色い車内はトンネルを出た途端に輝く。「上越新幹線はトンネルが多いことを逆手に取った」と、デザイナーの松本尚氏(上左)、小牟田悠介氏とミラータイルの空間。「自分の後ろに映る風景を楽しんで」(上中)、制作者のパラモデル氏。「プラレールでお子様がアートに目覚めれば」(上右)、石川直樹氏が新潟の四季をテーマに撮りためた写真群(下左)、水面に浮かぶ花びらのようなアートが壁いっぱいに広がる。「列車が走りだすとゆらゆらと動きだす」と、制作した荒神明香氏(下中)、落ち着いた空間でブライアン・アルフレッド氏のアニメーション作品が展示される(下左)

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“走る現代美術館”の異名を持つ、JR東日本の「現美新幹線」がついに姿を現した。

秋田新幹線で使われていた6両編成のE3系を5億円かけて改装。外観デザインは写真家・蜷川実花氏の手による。夜空のような漆黒と色とりどりの花火の組み合わせは、普段見慣れた新幹線とはまったく異なる。

車内に一歩足を踏み入れると、まさにアートの世界。黄色をベースに彩られた11号車の客室内はトンネルから外に抜けた途端に光り輝く。特殊な照明を使ったわけではない。配色のマジックだ。カーテンやシートに描かれた不思議な模様は、光の加減によって動物にも植物にも見える。

デザインを担当した松本尚氏は、上越新幹線はトンネルが多く景色を楽しみづらいことを逆手に取った。「トンネルを出たり入ったり。そのたびにカーテンやシートの色が変化したように見える配色を考えた」。

12号車は18メートルの壁一面にミラータイルが張られている。その前に立つと自分の背後に流れる風景が新鮮に見える。一方で、試乗した人からは「ホテルみたい」という声も。制作した小牟田悠介氏は言う。「どう感じるかは人によって違っていい。それがアートだから」。

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