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攻める生協 知られざる流通王国

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宅配で長年リードしてきた巨大流通グループ「生協」。ネットスーパーやアマゾンなど競合が台頭する中、新たな攻勢に出ている。

東京・渋谷の一等地にそびえ立つコーププラザ(日本生協連本部)(撮影:今井康一)

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「世帯加入率5割を目指す」──。日本最大の消費者組織である生活協同組合(以下、生協)が掲げる2020年ビジョン。実に2世帯に1世帯を組合員にするという意欲的な目標だ。

20年での達成は不明だが、将来を見ると夢物語ではない。全国各地にある131の「地域生協」の組合員数は14年度に2058万人に上り、世帯加入率は36.5%と過去最高を記録。少子高齢化時代でも毎年約40万人増の右肩上がりが続く。

日本生活協同組合連合会で代表理事専務を務める嶋田裕之は「食の安全・安心が注目され、生協が支持されている。加入率が3割程度だと『特別な組織だね』で終わるが、5割を超えると社会インフラになり、行政、地域とのかかわりで劇的な変化が起きる」と意気込む。

コープさっぽろの宅配システム「トドック」を担うトラック群

組合員数の増加に伴い、14年度の供給高(一般企業における売上高)は2兆5985億円、経常剰余金(同利益)も467億円と2年連続で増収増益を記録。小売業界ではイオンとセブン&アイ・ホールディングスに次ぐ第3の巨人である。

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