テリー・ゴウかく語りき 再録 独占インタビュー
取材をほとんど受けない鴻海トップが、本誌だけに2度にわたって激白。その骨子を再録する。
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本誌は鴻海精密工業のテリー・ゴウ(郭台銘(かくたいめい))董事長に2014年6月と15年3月の2回、独占インタビューを行った。いずれも長時間に及んだインタビューを再構成し、シャープ再建の論点と、ゴウ氏の経営思想を浮き彫りにする。
■シャープの何が問題か
シャープが再び経営危機に陥ったことに、まったく驚きを感じない。ちょうど2年前(注・13年3月)に前社長の奥田隆司さんと香港で会談したが、その時点で今回の事態は予想できた。当時、奥田さんが鴻海の出資を受け入れると決断し、経営改革を断行していれば、今回の難局はなかったはずだ。
私の直感では、シャープに残された時間はあと1年もないだろう。銀行が金融支援を行ったとしても、経営体質とリーダーが変わらないのであれば再建できるはずがない。
シャープは100年以上の歴史を持つ老舗企業であり、高い技術力を持つことは確かだ。だが近年の経営陣は、利益を創出して従業員に還元する責任を全うしてこなかった。にもかかわらず彼らは勤め上げ、役員報酬や退職金をしっかり受け取っている。危機はこのようなサラリーマン気質に端を発しているのだ。
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