Daniel Schulman●米国の隔月刊誌『マザー・ジョーンズ』のシニアエディター。政治および安全保障問題を主に扱い、同誌の調査報道部門の創立メンバーでもある。米ボストン・グローブ紙、米ヴィレッジ・ヴォイス紙などにも寄稿している。
共和党候補のスポンサーリバタリアン思想を実践
評者 東洋英和女学院大学教授 中岡 望
日本では「コーク一族」と聞いても、知る人はほとんどいないのではないだろうか。一族の存在は米国でも長い間、一般の注目を浴びることはなかった。評者が一族のことを知り、雑誌に記事を寄稿したのは2010年である。それ以降、本腰を入れてコーク兄弟の動向を観察してきた。本書は兄弟を取り上げた本格的な評伝である。
現在、米国では大統領予備選挙が行われている。共和党の予備選挙の鍵を握るのが、コーク兄弟である。政治雑誌『ポリティコ』は、兄弟を“黒幕のキング・メーカー”と呼んでいる。兄弟の支配下にある大口政治献金家のネットワークは、今年の選挙で9億ドルの献金を行うことを明らかにしている。昨年8月にカリフォルニア州のリゾート地で開催されたネットワークの会議に4名の候補者が出席し、支援を求めている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待