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政局優先、禍根残す 欠陥だらけの軽減税率

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選挙対策で公明党の言いなりに。税金で“票を買う”政策の愚かさ。

12月12日に軽減税率に関する与党合意を読み上げる自民党の谷垣幹事長(左)。胸中はいかに(時事)

近頃、これほど、筋の悪い政策も珍しかろう。

対象になる品目とならない品目との区別が難しく、線引きをめぐって利権を生みやすい。低所得者対策としては効果が薄く、高所得者にも恩恵は及んでしまう。何より、貴重な財源を食い潰し、何のための増税かわからない──。「欠陥だらけの政策」と集中砲火を浴びながら、2017年4月の消費税率10%への引き上げ時に、軽減税率を導入することが決まった。

自民、公明両党の議論は、もつれにもつれた。当初予定からずれ込み、12月12日になって両党がようやく大枠で合意。16日決定の与党税制改正大綱に盛り込んだ。

「自民・公明両党がそれぞれの持ち味を生かしながら、真摯かつ誠実な議論を積み重ね、最善の結果が得られた」 大枠合意の翌々日、安倍晋三首相は都内で講演し、時折笑みを浮かべながら胸を張った。16年7月に参議院選挙を控える安倍首相にとっては、公明党に恩を売る、最善の結果だったかもしれないが、国民にとって最善の選択だったとはとても言えない。

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