新薬開発の成功確率は3万分の1ともいわれる。そうした中、2015年には日本の医薬品業界でC型肝炎の特効薬の登場が大きな話題となった。C型肝炎はウイルス感染で引き起こされ、国内で年間約3万人が命を落とす肝細胞がんの最大の原因となっている。
米ギリアド・サイエンシズ社が開発した二つの新薬は、日本国内の臨床試験で96~100%という驚異的な治癒率をたたき出した。従来の治療法で問題となっていた発熱などの重い副作用もない。
15年5月に「ソバルディ」(ウイルスの遺伝子型2型向け)、9月に「ハーボニー」(同1型向け)が発売されるや売り上げは爆発的に伸びた。日本法人の折原祐治社長は、「3年後にC型肝炎撲滅の方向性が見えるようにしたい」と語る。ギリアドでは、これらの薬を欧米などで13年末から順次発売。初年度から124億ドル(約1.5兆円)という驚異的な売り上げを記録している。
ほかにも、これまで不治の病と考えられていた病気に治癒の可能性が見え始めている。
一つは日本人の死因第1位のがん。末期がん患者において、抗がん剤による化学療法ではがん細胞が薬剤耐性を獲得してしまうため、余命を数カ月延ばすことが精いっぱいだった。だが新たな免疫療法による薬では、がんがほとんど消失したり、年単位で生存したりするケースも出てきている。
がん免疫薬の開発が世界的なトレンドに
免疫療法はがん細胞によってかけられている免疫のブレーキを解除し、人が本来持っている免疫の力でがんを攻撃するというもの。今や、世界的にこのメカニズムのがん免疫薬の開発が急ピッチで進んでいる。
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