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構造化された不正は自覚するのが難しい 実学重視の教育が日本を衰退させる2.

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データ偽装で北海道の高橋はるみ知事(右)に謝罪する旭化成建材の前田富弘社長(左手前から3番目)。構造化された不正は見えにくい(時事)

不正や悪が構造化されている場合、内部にいる人にはそのことがわからないのが通例だ。旭化成建材による杭工事の施工データ偽装問題はその典型だ。今回の事案には、旭化成建材や建設業界だけでなく、すべての職種に通じる問題がある。

たとえば、筆者は2002年5月14日、東京地方検察庁特別捜査部によって逮捕された。特捜検察の狙いは、筆者を逮捕し、圧力をかけて検察に迎合した供述をする「自動販売機」にして、鈴木宗男衆議院議員(当時)につながる事件を摘発することだった。だが筆者が「自動販売機」にならなかったので、検察の目的は達成できなかった。

筆者は04年4月にイスラエルのテルアビブ大学主催で行われた国際学会に、青山学院大学の袴田茂樹教授、東京大学大学院の田中明彦教授ら(肩書はいずれも当時)を派遣する際に、外務省関連の国際機関「支援委員会」から資金を支出したことが背任に問われた。筆者は外務省の上司の指示で支援委員会のカネを使うことにしたにすぎず、しかも決裁書には外務事務次官、条約局長、会計課長らもサインをしていたので、本件が違法であるとはまったく思わなかった。

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