緊急事態が起きたときに、事柄の本質がどこにあるかをとらえることは、知の技法の応用問題としてとても重要だ。
11月13日夜(日本時間14日未明)、フランスのパリで同時多発テロ事件が発生した。16日時点で129人が死亡した。300人以上が負傷しており、その中には重体者もいるので、死者は今後増加するものとみられる。
今回の事件の基本構造は、今年1月7~9日、パリで発生した同時多発テロ事件と同じである。この事件に関しておさらいしてみよう。1月7日、フランスのパリ中心部にある週刊紙「シャルリー・エブド」本社に兄弟2人のテロリストが押し入り、12人を射殺した。2人は現場から逃走し、パリ北東ダマルタンアンゴエルの印刷会社に人質を取って立てこもった。9日、治安部隊が会社に突入し、容疑者2人を射殺した。
フランス政府筋によると、ダマルタンアンゴエルの印刷会社に立てこもっていた兄弟は死亡する前、建物から姿を現し、警察隊に向かって発砲した。死亡する直前、シェリフ・クアシ容疑者はテレビとの電話インタビューで、イエメンのアルカイダから資金援助を受けていると述べた。この事件と連動し、8日、パリ市内で女性警官を射殺し、9日にパリ東部のユダヤ人が経営する食料品店に、マリ系のアムディ・クリバリ容疑者が立てこもった。9日、治安部隊が食料品店に突入し容疑者を射殺して人質を解放したが、人質のうち4人が死亡。立てこもっている最中、クリバリはフランスのニュース専門テレビ局BFMTVの電話取材に対して、こうやり取りしている。
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