有料会員限定

荒波の中稼ぐ液晶部材 強さの源は「寡占力」 意外な高収益を誇る日本勢。好況は続くか

拡大
縮小
テレビを中心とした大型液晶に加え、スマホの普及に伴い、中小型の需要も急増している(撮影:大澤 誠)

赤字の要因は液晶だった。10月26日、経営再建中のシャープは、4~9月期の純損益が840億円の赤字になったと発表。スマホ用中小型パネルの販売低迷と価格下落が響き、通期の営業利益予想も、従来の800億円から100億円へと、巨額の下方修正を迫られた。

液晶事業に頭を悩ますのはシャープだけではない。中小型液晶パネルで世界大手の一角であるジャパンディスプレイ(JDI)ですら、前期の営業利益率は1%に届かなかった(図1)。

[図1]
拡大する

3割近い利益率の企業も

 が、液晶に使われる部材メーカーに目を向けると、厳しい環境でしたたかに稼ぐ、日本企業の姿が見えてくる。

[図2]
拡大する

図2は、液晶ディスプレーに使われている、部材メーカーの部門利益率・増益率をまとめたものだ。タッチパネルを手掛ける日本写真印刷、偏光板の日東電工など、意外にも高収益を誇る企業の多いことがわかる。これらに加え、偏光板の保護に使われるTACフィルムを製造する富士フイルムも、液晶分野で稼ぐ企業の一つだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内