ラック ナショナルセキュリティ研究所所長 伊東 寛氏に聞く 『サイバー・インテリジェンス』を書いた

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サイバー犯罪の手口はますます巧妙になり、国、組織、個人を問わず誰もが被害者になる可能性があるという。

サイバー・インテリジェンス(祥伝社新書)
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──日本年金機構へのサイバー攻撃の犯人は日本人ではない? 

年金機構の個人情報流出の記事を新聞で読んだ瞬間、これはやばいと思った。報道の初めの頃、警視庁公安部とあった。一般のサイバー犯罪は警視庁では生活安全部が手掛ける。そこはサイバー捜査官がたくさんいる。ところが公安部は公安警察で治安維持主体、外国のスパイも取り締まる。そこがいきなり捜査元なのは何かある。警察はサイバー畑の民間人が知っている以上に何かを知っている。これは外国が絡んでいると、ピンときた。

この事件の前後から、表面上はサイバーの「敵側」がやり方を変えたように見える。だが実際はそうではなく、政府の上層部が、日本人はもっとサイバー犯罪を知らないとダメだと考え、積極公開に方向転換したのではないか。以前は、特に民間は公表しない。株価は下がるし、企業は非難の的になる。だから隠していた。最近は発覚しても潰れないようなところばかり。しかも第三者機関に指摘されて公表、との報道さえ流れる。ある意味、潮目が変わった。

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