「ネットは一つ」を理解せずには勝てない 国際サイバーテロの脅威にどう対応するか
次世代の人々がデジタル時代の恩恵を受けられるかどうかは世界がサイバー攻撃の脅威にどう対応するかによって決まるだろう。
他国の政治機構や経済組織に大規模なサイバー攻撃を行っているのは中国だけではない。米国はインターネット技術の先導者だが、中国は最大のユーザー数を抱えている。危険なのは国家間の政治的衝突だけではない。国内でのコントロール喪失が、インターネットを分断させる。
ロシアでは政府が経済的コストを無視してまで、全データを国内サーバーに保管する規定がある。欧州のいくつかの国、特にドイツでは、市民のデータは邪悪な米国人スパイの手の届かない欧州の大地で保管されてさえいれば安全だという確信があるようだ。
データの保護と安全性の確保は確かに死活的問題だ。だがこれは、データの保管場所とはほとんど関係がない。最近でも、中国を拠点とする攻撃者が米国連邦人事管理局に不正侵入し、連邦職員の機密情報を含む2200万人分近くのファイルを盗み出した。
中国とロシアのハッカーたちは、米国や欧州の強固な産業ネットワークや政府ネットワークに頻繁に侵入している。海底ケーブルを盗聴している国もいくつかある。
グローバルなバリューチェーンの急速な発達で、経済は政治的境界を越えた自由なデータの流れにますます依存している。
「デジタルガバナンス」はグローバルな課題だ。国家の行動についての規範の確立や、国境を越えたサイバー犯罪に対処する法的な仕組みの確立、わかりやすい国内法の制定、データの安全性を守るための暗号化の承認、などが必要だ。そしてどの領域でも、サイバー犯罪とテロへの対処の取り組みが、インターネットの開放性を損なってはならない。
EU(欧州連合)はデジタルの現実を正確に理解すべきで、有害なデジタル保護主義を引き起こしてはならない。米国も、もはや唯一のサイバー大国ではないことを認めなくてはならない。そして、国際的に認められた、すべての国が順守すべき規範に従った行動を取ることを受け入れる必要がある。
インターネットはすでに世界で最も重要なインフラとなっている。だがこれは始まりにすぎない。新しい世界には、混乱と無秩序と衝突から生じた政策はふさわしくない。






















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